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韓国ソウル!文家の掟

韓国ソウル!文家の掟

たったひとつの贈り物



カマ夫ことうちの主人と知り合って7年
結婚して12月でまる3年になるが
実はわたし、カマ夫からプレゼントをもらったことが全然ない。
プレゼント攻撃大好きな韓国の男のはずなのに。
ドラマチックなことが大好きな韓国人のはずなのに。
たった100日つきあっただけでペアリングを買うような
国の奴なのに。
楽天でHPを開いてる方たちみたいに、誕生日や結婚記念日に
食事に行ったり
花束をもらったりというような素敵な話は私にはない。

でも 一回だけプレゼントしてもらったことがある。
結婚した年の冬、初めてのソウルでの冬。
カマ夫が電話で ちょっと出てきてと言うので
近所まで迎えに行った。
そしたら 手に可愛い小さなバッグを持っていた。
そして

「これShaqにプレゼントだよ」

と言った。
うそ~!!初めてのプレゼントだ~!!!!
私はもう嬉しくって、うちに帰る途中で開けてしまった。
バッグの中には 可愛い小さい箱。
え?指輪?ネックレス?
ワクワクして開けた、その中に入っていたものは

 「こはるちゃん」

これ、何だかわかる人っているかな?(笑)
これ、カイロみたいなもの。ライターみたいな形してて
ベンジンを中にある綿に染み込ませて火をつけると
温かくなるもの。携帯用湯たんぽみたいな感じ(笑)

このときの私の反応、わかる?

心底がっかりしたんです。(笑)
私の頭の中ではもうアクセサリーだと勝手に思い込んでたから。
何て言ってくれるかワクワクした顔のカマ夫に向かって

「は?何これ?これがプレゼント?」

というひどい言葉を投げつけてしまった。
カマ夫は「ひ~ど~い~っ!!」と怒ってしまったけど
家に帰ってから 一通り使い方を私に説明して

「私が使うからいいよ」

と悲しそうに言った。
私はカマ夫に悪いと思いながらもやっぱり落胆してた。
なんで初めてのプレゼントがカイロなわけ?って。
悔しいような、恥ずかしいような、情けないような
そんな気持ちでその日はお礼も言わず寝てしまった。

ところが、私は次の日から毎日それにお世話になったのだ。
ソウルの冬は寒い。
真冬はー10度くらい平気でなってしまう。
(もっと寒い所に住んでる方、ごめんなさい)
寒いと泣きたくなりません?
ちきしょー!なんでこんなに寒いんだよーって。
そんな中通勤途中でポケットにこはるちゃんをいれて歩くと
とっても温かくて手放せなくなった。

その時思った。

「なんかこはるちゃんとカマ夫って似てるな」って。

こはるちゃんは安いし、かっこ悪いし、誰も振り向かないようなものだけど、とても温かくて 私をとっても幸せな気持ちに
してくれる。寒さから守ってくれる。
カマ夫も かっこ悪いし、貧乏だし、人より優れてるところなんて全然ないけど、とても温かくて優しくて、私を幸せな気持ちにしてくれる。

カマ夫ってこはるちゃんみたい。

そう思ったら、このプレゼントをくれた時御礼も言わないどころかひどいことを言った自分が、とっても心の汚い、情けない女だとわかって、悲しくなった。
私がひどいことを言った時のカマ夫の悲しそうな顔を思い出して、涙が出て、止まらなくなった。
カマ夫はこんなに素敵なものくれたのに、なんで傷つけちゃったんだろうって思って、泣けてしょうがなかった。

家に帰って、カマ夫に謝った。カマ夫は
「ケンチャナ~(大丈夫だよ~)」と笑ってくれた。
ありがとうねって言ったら
「どうかしたしまん*」(どういたしましてのつもり)
とテレ笑い。

ゲームオタクでカマ言葉をまくしたてる私のだんな。
でも、この人と結婚できた自分って幸せだなって思ってる。
花束も指輪ももらったことはないけど。
ドラマみたいなことは何もないけど。

私とカマ夫だもん。そんなもんだ。

ソウルももう冬の寒さ。
そしたら こはるちゃんのこと、思い出してしまった。
この冬も大切に使うつもり。

みなさんは愛する人から
どんな素敵なプレゼントをもらったんだろう?



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